金属表面処理
超硬放電(PENETRON/ペネトロン) 火花放電により、タングステン分子を母材内部に打ち込み表面を硬化させる技術です。 常温での加工が可能で母材を加熱する必要がない為、熱によるゆがみや劣化が発生しません。 また、空気や水分、炭酸ガス等を遮断し、イオン化した電界物質に化学変化が生じない状態で 母材金属の表面に瞬間的に付着・置換して内部へ移行拡散させることにより高硬度の拡散層が重積して 表面に達する為、処理後の表面は全て超硬金属で覆われた状態となります。 密着性は母材金属と同等で、耐熱性、耐摩耗性を有するため再加熱されても 安定的で軟化することもなく、表面硬度がHv1600にまで向上します。 浸炭塩浴窒化処理(Carburizing and Nitriding by Salt-bath) 浸炭・窒化効果を持たせる化学変化を付加したナトリウムを主成分とする液体を 400℃以上の高温で溶融した塩浴槽に被処理材を浸し、 浸炭・窒化という二つの処理をを同時に行うことで内部に硬化層を侵入させる技術です。 処理に使用する添加物と処理中の温度管理により、浸炭・窒化の進行を調節する為 ガス処理と比して薄い硬化層が所定の深さで得られることが特徴です。 また、処理対象とする部分を液体に浸す為、通常では処理が困難とされる複雑形状の部品でも 均一な硬化層が得られるというメリットに加え、被処理材の寸法変化がほとんどない為、 寸法精度に厳しい精密機器部品の表面処理に最適です。 本処理が可能な金属は 鉄(Fe)を含んだ材料、鋳鉄・軟鋼、特殊鋼、ステンレス、 ダイス鋼、ハイス鋼、型鉄鋼等の金属で、 用途例として 精密機械部品、特に摺動部品、各種金型、切削工具、特殊刃物 等への応用が可能。