「磁気吸着装置及び選別装置」(特許出願中)について

本発明は磁性体からなる処理対象物(キャリアテープ)から、
吸着したい対象物(ゴミ)だけを確実に吸着し、
完全に選別することを可能とする「磁気吸着装置及び選別装置」です。
エレクトロニクス産業界における IC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)等の電子部品の実装には
TAB(Tape Automated Bonding)テープ、T-BGA(Tape Ball Grid Array)テープ等の
フィルムキャリアテープが多用されています。

しかし、上記を代表とするフィルムキャリアテープは表面に静電気が発生しやすいことから
これらを用いて電子部品を実装する際にテープを搬送する為の金属製のリールや
周辺の機械装置等から飛散するゴミがキャリアテープの表面に付着しやすい、
という問題点があります。
これは、キャリアテープ表面に付着したゴミがインナーリードに付着したり、ソルダーレジスト内に
混入したりすることにより、キャリアテープ表面に形成されている配線パターンの短絡等が
発生した場合、製品不良の原因となる為です。

この問題点を解決するために、これまでに用いられている主な方法に
下記のようなものがあります。

エアーを吹き付けてゴミを除去する方法  → エアーを吹き付ける為、風圧でインナーリード等に
                            変形が生じる場合があり、製品不良の発生原因となる
                            恐れがある。

レーザーを用いて静電気を除去する方法 → キャリアテープにダメージを与える恐れがある為、
                            レーザーの出力数に上限があり、
                            完全には静電気を除去できない

イオナイザーを用いて静電気を徐電する方法 → イオンを均等に発生させることは非常に困難で、
                               静電気分布にムラが生じる恐れがある為
                               徐電効果に限界がある。また、場合によっては
                               逆に帯電させてしまう可能性もある。
                             
                              
という風に、これまでにも様々な手法・装置が研究開発されていますが、
そのいずれの方法においても付随する問題点があったり、効果に限界があるなど、
ゴミを取り除く確実な解決策には至っていませんでした。

今回の発明は、対象であるキャリアテープにダメージを与えることなく静電気を除去し、
かつ、確実にゴミを吸着できる時期吸着装置及び選別装置を提供することを目的に
研究・開発を行うことにより実現致しました。